おいらのぶろぐ

昼寝してる時にふと思い出したシーンがあります。
ちょっとわかりにくいかもしれないけど、
最近おいらがよく思うことを表してる気がするので書きます。



おいらが南会津で高校のキャンプの手伝いをしている時です。

おいらがテントの畳み方をみんなに見せながら教えて、
よーいどんでみんなで片付け始めました。

その中で、ある男の子が
「わかんないです」
と声をかけてきました。

決して難しい作業を要求している訳ではなかったのですが、
おいらの伝え方が悪かったかと思い、
一緒にやることにしました。

しかし、彼の動きのぎこちなさは、
どうもちゃんと説明を聞いていなかった感じです。

「説明聞いてた？」
と彼に聞いたのですが、彼は沈黙でした。


おいらは単なるスタッフですから、
彼を責める必要も全然ないし、
まぁそもそもおいらの教育方針からしてそういう責め方はないので、
「いや、聞いてなかったんならそれでも良くて、おいらの伝え方とか話し方が悪かったんだろうから、今後の参考としてはっきり聞いてなかったと言ってくれていいんだけど」

と言ったら、
おいらのその言葉が予想外だったらしく彼は少し混乱して、
「こうですよね」
と、ちゃんと正しいやり方を身振りで示しました。


彼はつまり、「わかって」はいたんです。


おいらの読みでは、
彼はテントの畳み方はわかっていたけど、
ぶっちゃけだるくて、
（作業人数が他より若干少ないのもあったし）
でも「だるいから手伝ってください」とは言えなくて、
「わからない」と言えば、教えてくれるついでにやってくれるだろうと期待しておいらに「わからない」と言ったんじゃないかと思います。

もっと言っちゃえば、だるいから、おいらにやってもらって可能な限り自分はサボりたかったのかもしれません。
動きのぎこちなさは、ぎこちなさではなく、だるさだったかもしれないということです。


無邪気に「だるいです」と言う子はおいらは嫌いではないのですが、
彼はまずいことに前科があり、前日の夜に夜遅くまで規則違反（詳しくは書きません）をしていたため、

「だるいです」なんて言おうものなら、
「そりゃあんたが夜遅くまで起きてたからでしょ」

と昨日のことを蒸し返されるのは目に見えてる、と彼は考えるでしょう。


そういうことを全部含めて、
彼は「わかりません」と言った（もしくはそうしか言えなかった）のでしょうが、
それは結果としておいらに不信感を抱かせるような結果となりました。


たまたま、その後彼のことを考えていて、ここまで思えるようになり不信感もなくなりましたが、
もし何か追い込まれた状況で自分に余裕がないときに同じことをされたら、
彼をちゃんと受け入れられるかどうかという自信はありません。


もし彼がおいらのことをよくわかっていて、
彼：「おいらさん、ぶっちゃけだるいです。人数も足りないんで手伝ってください」
と言っていれば、

おいら：「おーう、しかしお兄さん、昨日だいぶ夜更かししてたっていうじゃないか」
彼：「はい、若気の至りで」
おいら：「そうか！若気の至りじゃぁしょうがない！」


なんていう若干ではあるけど粋な会話ができたかと思います。


でも彼がそこまで自分を知り、相手を知った上で話をするにはそれこそ彼はまだ若すぎるし、
おいらも彼の心の内を引き出すほどの力はまだありません。



人間、はなから悪いことをしようと思ってる人はいなくて、
うまく自分のことが伝わらなくて悪く思われてしまったり、
それで悪く思われてるのを感じて、
それが原因で悪く考えるようになっちゃったり。


自分の芯からの気持ちを相手に伝えるのはほんとに難しい。

それを受け入れる幅を持つのも、難しい。




難しいけど、そういうのが人間の「豊かさ」じゃないかなぁ。